宅建の資格について

不動産の賃貸、売買、交換の業務を行う時に、必要となる資格です。部屋を借りたり、家の売買をしたりした事がある人は、ご経験されているかと思いますが、不動産業者で不動産契約を行う際、不動産取引の契約について説明を受けます。意識して見ない方がほとんどなので、気づかないかもしれませんが、不動産取引の説明をしている人の名札には、必ず「宅地建物取引士」という肩書きがあります。

この「宅地建物取引士」が、宅地建物取引業法によって定められている国家資格の保有者です。この方たちは略して「宅建士」とも呼ばれています。

宅建士は宅地建物取引業の業務に従事する際に、以下のように対応することが義務付けられています。
“宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない“
(宅地建物取引業法 第十五条)。
不動産の取り引きは高額なため、法の知識が未熟な素人が直接取り引きすると損害が生じることがあります。
そのような損害を防ぐために、法の専門家である宅建士が取り引きの仲介又は媒介を行い、契約が円滑に進むように努めます。

宅建の資格について

宅建の資格を取得すると可能になる事とメリット

宅建を取得するメリット

・給料アップ
会社によって異なるため一概には言えませんが、資格手当が付くことがあります。
不動産仲介業者の事務所のスタッフは、全員が宅建資格を持っているわけではありません。また、事務所の全スタッフの人数に対して必要な宅建士の人数は法律で定められています。
したがって事業責任者はもしもの時に宅建士が不足しないよう、「一定数の資格保有者を置いておきたい」と考えます。
そのため、宅建資格を持っていると大変重宝され、資格手当や昇進にも繋がりやすくなります。

・転職に有利
転職時、企業が中途採用で重要視するのは経験の有無です。それは、即戦力としての人材を探しているからです。しかし宅建資格を持っている事によって、未経験であったとしても採用される可能性が高くなります。なぜなら、宅建を保有している時点で業務に必要な知識は一定持っていると判断されやすいためです。
また、宅建資格が役に立つ業界は不動産に限らず金融や建築業界など多岐に渡ります。

・独立し開業できる
サラリーマンとして企業に勤めるのではなく、不動産業において自分のやり方で事業を始めたいと考える方は独立することもできます。設備投資の必要がなく、資格さえあれば事業を始めることができるため、独立を検討している方に人気の資格の一つです。

異業種でも活かせる資格(金融業界、建築業界など)

宅建資格は、不動産業界に限らず様々な業界で役立ちます。 具体的にどのような業界のどんな場面で活かすことができるのか、見てみましょう。

・金融業界… 住宅ローンを組む時や、借金の担保に土地や家の価値を計る時に役立ちます。
・建築業界… 不動産業務も兼務している場合があり、農地法や都市計画法による土地についての知識が得られます。
・リフォーム業界…家屋の設計・改修の知識として役に立ちます。
・保険業界… 火災保険、家財保険、地震保険など、家屋に対しての保険の知識として役に立ちます。

宅建士だけができる3つの仕事

・重要事項の説明
・重要事項説明書への記名/押印
・契約書への記名/押印

上記3つの仕事は、宅建士だけが許される独占業務です。
宅建士は、宅建試験に合格するだけではなれません。都道府県知事に対して登録申請をし、登録済みの証である宅建士証を交付してもらう必要があります。
登録する前に独占業務をすることは法律で禁止されており、登録して初めてできるようになります。

重要事項説明

重要説明事項(35条書面)とは、売買または賃貸借の契約締結“前“に宅建士が説明しなければならない事項です。買主または賃借人がその物件を選ぶ時の大きな判断材料となり、契約後のトラブルを防ぐために必要です。
例えば、契約解除について、損害賠償や違約金について、代金や借賃や交換差金以外に授受される金銭の額と目的についてetc…です。
この重要事項説明時には、説明する相手方から請求がなくても必ず宅建士証を提示します。また、記名/押印済みの35条書面を交付し、宅建士が説明をしなければなりません。

重要事項説明書への記名押印

重要事項説明書のことを35条書面と言います。35条書面とは、契約“前”の重要事項説明時に、宅建士が記名押印した書面を相手方(買主・借主)に交付しなければならない書類です。
記名押印する宅建士は、専任の宅建士でなくてよく、非常勤の宅建士でも可とされています。また、記名/押印した宅建士とは別の宅建士が説明することもできます。

契約書への記名/押印

契約書のことを37条書面と言います。37条書面とは、契約締結“後”に両当事者(売主・貸主と買主・借主)に交付し、契約事項が記載してあります。
この37条書面には、宅建士の記名/押印とともに宅建業者の記名/押印が必要ですが説明は義務ではありません。
記載事項に必要な内容としては、例えば両当事者の氏名と住所、不動産の表示、代金や借賃や交換差金、物件の引き渡し時期、移転登記の時期etc…です。

宅建を受験できる人

受験資格には、年齢、性別、学歴などの制限はありません。誰でも受験可能です。 過去10年間の試験概況によると、受験者数は毎年平均20万人前後となっています

試験内容や難易度について

宅建士の試験内容

試験内容は大きく分けて、以下の4つに分類できます。
・宅建業法
・権利関係
・法令上の制限
・税/その他法律

宅建業法

これは、「宅地建物取引業法」の略称です。この法律は宅地建物の取引を行う際に適用されます。内容としては、
・宅建免許について
・事務所について
・宅建士について
・営業時に必要になる保証金について
・媒介/代理契約について
・クーリングオフについて
・報酬について
・重要事項説明や契約書についてetc…
宅建業を行う時に守らなければならない法律が定められています。

権利関係

土地や建物の権利について、権利の変動についてです。
関係している法律には、民法(相続による権利の変動や賃貸借について定められている)、借地借家法(賃貸人よりも立場が弱い賃借人を保護するための法律)、不動産登記法(土地・建物の所有者が誰なのかを公示するための制度に関する法律)、建物区分所有法(マンションの様に一棟の中に構造上区分され独立しているものを所有する事に関する法律)があります。

法令上の制限

土地や建物について様々な法律、条例、規則による制限があります。
関係している法律には、
・都市計画法(都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための法律)
・建築基準法(建築物の敷地、構造、設備及び用途に基準を定めて、人命や財産の保護するための法律)
・国土利用計画法(国土の総合的かつ計画的な利用に関する法律)
・農地法(農家の安定と国内の農業生産の増大を図り、食料の安定供給を確保するための法律)
・宅地造成等規制法(宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい土地の区域の宅地造成に関する規制を行うための法律)
・土地区画整理法(都市施設の整備されていない地域を整備改善するための法律)
があります。

税・その他法律

税は、利益を得た時に納めるものであり、国税と地方税とあります。
関連する税法には、
・所得税(土地や建物の売買による利益にかかる税)
・印紙税(不動産取引の契約書や領収書にかかる税)
・不動産取得税(不動産取得時にかかる税)
・固定資産税(土地や家屋や償却資産を所有する限りかかる税金)
があります。
その他の法律には、
・不動産鑑定評価基準(不動産鑑定士が不動産を評価するために定められた基準)
・不当景表法(消費者に不利になる広告を規制する法律)
・住宅金融支援機構法(消費者が住宅購入やリフォームのローンを組み易くするための法律)
があります。

合格率は低め。しっかりとした対策が必要

宅建試験の合格ラインは相対評価方式を採用しており、合格率は15〜17%になる様に保たれています。つまり、受験者数に対して、合格者が15〜17%になるように点数を決めます。あらかじめ定められていないため、試験が終わってみないと分かりません。
しかし、相対評価方式には良い面もあります。試験の難易度によって、年度ごとに有利や不利がありません。難易度が高い場合は、その分合格点も低くなるからです。例え、どんなに問題が難しくても上位15〜17%の人は合格できます。したがって、正しい対策をしっかり取り組めば合格することができると言えます。

まとめ

宅建資格は国家資格であり、取得すれば一生ものと言えるでしょう。都道府県知事の登録申請をして、宅建士証の交付を受けられれば、宅建士としていつでも仕事ができます。そして、都道府県知事か国土交通大臣に営業免許を受ければ、営業することも可能です。
宅建試験は合格率こそ15〜17%と低く感じられるかもしれませんが、性別・年齢・学歴問わず誰でも受験可能なので、学生から主婦や定年後の方まで、幅広い方が受験し合格しています。
これから就職活動を控えている方や、転職を検討している方は専門性の高い業界への挑戦をする上で、宅建資格は取り組みやすいのではないでしょうか。

宅建試験は誰でも受験可能ですので、あらゆる資格の中でも挑戦しやすいと言えます。一方で、誰でも受験可能なその気軽さから、十分な対策をせずに受験する方も少なくないようです。
せっかく試験に挑戦するのであれば、一発合格を目指したいですよね。試験日に合わせてしっかりとスケジュールを組み、念入りに対策するように心がけましょう。

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